INTRODUCTION

of corporate cases and initiatives

PICK UP 取り組み事例紹介

ONISHI ISSEI
HORIUCHI RYOTARO
”好き”を起点に、挑戦を社会へつなぐ。
岡山大学起業部が描く未来。
起業家精神の醸成やビジネススキルの向上を目指し、学生自らが主体となって活動する「岡山大学起業部」。
部長の大西さんと堀内さんに、起業部の魅力や挑戦への想いを伺いました。

起業部の今 「本気で挑戦する人のための場」

お二人にとって岡山大学起業部は、どんな場所だと思いますか?

大西
岡山大学起業部は「本気で起業したい」と思う学生が、仲間や社会とつながりながら挑戦できる場所です。アイデアを形にしていく過程で多くの学びや刺激があり、地元企業や自治体とも連携しているので、事業の具体化に向けたサポートも手厚く受けられます。県内の学生で「起業に挑戦したい!」という想いを持っている人には、ぜひ飛び込んでほしい環境です。

堀内
起業に本気で向き合うからこそ得られる経験や気づきがありますし、自分ごととして動くことが大切です。岡山大学だけでなく県内の他大学の学生も参加できるので、幅広いバックグラウンドを持つ仲間と一緒に学び合えるのも魅力です。

入部のきっかけ

岡山大学起業部に入部したきっかけは何ですか?

大西
研究や実験がとにかく好きで、高校生の頃から研究者を目指していましたが、大学に入ってみると閉鎖的な環境に違和感を覚えました。研究者には“研究一本で突き詰める人”と“研究を社会実装や産業化までつなげる人”がいると思っています。僕自身は、論文を発表して終わりではなく、自分の研究が世の中で活用される姿を実現したいと考えていました。そこで、産業化までを視野に入れたマインドが育めるのではないかと思い、岡山大学起業部に入部しました。

堀内
僕は岡山理科大学出身で、大学院に進学するタイミングで岡山大学起業部に入部しました。学部時代から起業部の存在は知っていましたが、当時は岡山大学の学生しか入れず機会がなかったんです。進学をきっかけに『ただ大学院に行くだけではなく、自分も何かを始めたい』と考え、入部を決めました。
実は中学卒業の頃から“将来は会社をつくりたい”という想いはありましたが、周りに起業している人もおらず、どう始めればいいか分からないままでした。そんな中で、全国には“起業部”があり、学生が事業をしていることを知り、自分もそういう環境に身を置くべきだと感じたんです。
動物や生き物が好きだったこともあり、そこに関わるテーマから取り組みを始めました。岡山大学起業部は“アート思考”を大切にしていて、自分の好きや理想とする世界を語りながら『今できることは何か』を考える。その環境が、自分の目指す未来に向けて一歩を踏み出す大きなきっかけになっています。

それぞれの挑戦 「Acaridge(アカリッジ)」と「Aqzoo(アクズー)」

現在どんな活動を進めていますか?

大西
現在は “Acaridge(アカリッジ)” という、高校生が学びの中で「もっと知りたい」「先生に聞いても分からない」と感じたときに、専門家とつながって探究を深められるプラットフォームを運営しています。活動を通じて、研究の楽しさを「学びたい人」に届けるだけでなく、「研究する人と社会がもっと近づく仕組みをつくりたい」と考えるようになりました。その延長線上で、今は大学と企業をつなぐハブとして、研究の知見を社会と共有できる新しい形を模索しています。まだ構想段階ですが、大学という場をより開かれた場所にすることを目指しています。

堀内
僕は“Aqzoo(アクズー)”というプロジェクトを立ち上げ、動物園・水族館に関わる価値創造と、現場で働く人の環境改善を考えています。動物や生き物が好きだったという原体験がベースにあり、『動物が好きな人が、安心して暮らしていける社会にしたい』『“好き”と“生活”が両立できるような仕組みをつくりたい』という想いが、僕の起業の原点です。

起業のリアル 壁とどう向き合うか

起業に挑戦する中で、どんな壁がありますか?

大西
Acaridge(アカリッジ)は、主に高校生を相手にしているので、学校制度や制約があったり、“どうアプローチしたら効率的になるのか”という迷いなど、障壁はたくさんあります。けれども、研究者が共感して協力してくれた瞬間にやりがいを感じます。

堀内
代表として責任を背負う重さはありますが、動くからには責任がつきものです。自分の考えをダイレクトに反映できるので、夜中まで作業やミーティングをしても苦ではなく、むしろ楽しんでいる部分さえあるかもしれません。

若い世代へのメッセージ 「好きを信じて、個性を生かすこと」

若い方が、地域で起業家精神を養っていくために必要なことは何だと思いますか?

大西
一番大事なのは“楽しい”って思える何かを見つけることだと思います。誰にでも必ず”夢中になれるもの”があるはずなんですが、多くの人はまだそれに気づけていないだけだと思っています。
生活を振り返ったときに『気づいたら時間が過ぎていた』という体験があれば、それがきっと自分の好きなことのサインなんです。そこを掴むことができれば、自然と体が動いていくし、熱中できる。その“好き”こそが起業や挑戦の出発点になると思います。

堀内
安易に起業を勧めるつもりはありません。アントレプレナーシップはこれからの生き方に関わる一つの考え方であって、全員が起業したいと思う必要はないと感じています。ただ、将来を考えるとき、その思考を持っていることは大きな力になるはずです。
AIが発達して世の中が大きく変わり、仕事が置き換わっていく時代。だからこそ“個性”が重要になります。ときには周囲から変わり者扱いされるような尖った個性が、実は大きなアドバンテージになると思っています。
アントレプレナーシップを土台に個性を磨いていけば、その人にしか描けない生き方や事業へとつながっていきます。もし小学生から高校生にかけて、“自分の個性を武器にする教育”がより整っていけば、世の中はもっと豊かになるのではないかと思います。

最後に、起業や新たなことにチャレンジを考えている高校生・大学生等の若い方へメッセージをお願いします。

大西
突出しろ、ということではないと思っています。大切なのは“相対評価”ではなく“絶対評価”で、自分の好きなことや得意なことをひとつ持つこと。僕の場合は自然科学の実験でしたが、スポーツでも音楽でも、なんでもいいと思っています。“これが好きだな”と心から思える瞬間を大事にしてほしいです。

堀内
恐れずに、好奇心を持って挑戦してみてください。その一歩が、きっと未来につながっていきます。是非、岡山大学起業部でお待ちしております。
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