イノベーションの担い手となるのは「若者、よそ者、ばか者」であるとよく言われます。
そのような、積極的な姿勢で、様々な視点をもち、柔軟に動ける存在であるのが「地域おこし協力隊」です。
高梁川流域において活躍する協力隊の皆様の活動状況を、本ブログでもお伝えさせていただきます!
地域に新しい風を運び入れ、様々なヒト・モノ・コトをつなぐ活動につき、ぜひご注目ください!
倉敷市真備町有井には、真備町生まれ真備町育ちの三宅ご夫妻が営む衣料品店「おしゃれの店サンハウス」があります。
水害を受けてから約4年、どのような苦難を乗り越えてお店を再建したかインタビューをしました。
「サンハウス」は、ご夫妻の先代が真備町岡田で営んでいた衣料品店「総合衣料三宅」が前身です。平成元年の11月24日にお店を現在の場所(真備町有井)に移転したタイミングで「おしゃれの店サンハウス」という名前に生まれ変わりました。
店の名前の由来は、「おしゃれの店サン(三)ハウス(宅)」。当時近くに「三宅」とついた屋号のお店が多くあり、それらのお店と差別化を図るため、変更しました。変更したばかりの頃は、ハウスメーカーと間違えられた電話がよくありました。
2018年は「サンハウス」にとって、オープンして30年目という特別な年でした。しかし、平成30年7月豪雨災害で、末政川が決壊し、店内は天井付近まで浸水しました。岡田にあるご自宅も同じように浸水しましたが、総社市の親戚宅に避難することで何とか生き延びることができました。
実際に店舗を確認することができたのは、被災してから2日後でした。確認へ向かう途中、流された家や土砂、積み上げられた災害ごみで、車は進むことができず、歩いて店舗に向かいました。自分たちの店は大丈夫であって欲しい…との思いでしたが、無残にも店は姿を変え、その状況を見た瞬間、声も出ませんでした。
自宅も浸水していたため、毎日、片付けでクタクタでした。そこでボランティアを依頼すると、倉敷商業高等学校(以下:倉商)の女子バレー部の生徒が来てくれました。ご夫婦の出身校が倉商ということもあり、何かのご縁・つながりがあるのかもしれないと感じました。
その後、倉商書道部から「今を生きる」という作品をいただき、今でも店舗の正面に飾り、毎日見つめて気合を入れています。
水害から4年経ったものの、まだまだ多くの人の心の中に、あの日の惨劇が残っています。あの日の出来事は絶対に風化させてはならないと奥様は言います。
多くの人からの支援や協力を受け、再建を喜んでくれたことから、今一度、原点回帰をして頑張っていこうと決意しました。ネガティブになりがちな被災体験を前向きに捉え、サンハウスは新たな歴史を歩み始めます。
これからも真備町の方がお洒落をして真備町の街を闊歩(かっぽ)する、そんなおしゃれの店であり続けます。
三宅ご夫妻はとても人当たりがよく、真備町に来たばかりの私に当時のつらかったお話を嫌な顔をせず話してくれました。また、真備町の歴史についても丁寧に教えてくれました。
「サンハウス」の今後の目標は、「多くのお客様に喜んでもらう。」ことだそうです。多くの人が大型店舗で洋服を購入する中、「サンハウス」のような小売店が事業を続けられるのは、ご夫妻の人柄に多くのファンの方が共感し、地域密着で頑張ってこられたからだと思います。これからも人とおしゃれを紡ぎ、真備町におしゃれを提供する店であってほしいです。
地域おこし協力隊として、千葉から真備町に来て、平成30年7月豪雨災害は避けて通れないと思い、5か月をかけて色々な方から当時の状況を聞かせていただきました。凄惨な状況を振り返っていただき、着実に復興への歩を進んでいることを肌で感じることができました。
次回からは、地域おこし協力隊としての自身の活動について情報発信をしていきたいと思います。
寒暖差が激しくなってきていますが、健康に気を付けて頑張りましょう୧(๑›◡‹ ๑)୨
氏 名:吉田 大紘(よしだ まさひろ)
趣 味:バイク、格闘技
担当業務:真備町地区における新ビジネスの創出
任 期:令和4年6月~
出 身地:福岡県北九州市
前住所地:千葉県千葉市
スズキ株式会社を退社し、真備地区の地域おこし協力隊員として着任しました。
まずは、愛機、DR-Z400SM(もちろんスズキ車)で、真備町を中心に倉敷を周り、土地勘を持ちたいと思います。