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高梁川流域圏でのオープンイノベーション vol.3

高梁川流域圏でのオープンイノベーション vol.3

星空保護区

井原市の美星町地区は、2021年11月に国際ダークスカイ協会から、暗く美しい夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える「星空保護区認定制度」における、国内3番目の星空保護区に認定されました。

美星町は1989年に国内で初の「光害防止条例」を制定して以来、30年以上にわたって行政と住民が連携して夜空の環境を守ってきており、自治体活動を対象とするコミュニティ部門での星空保護区への認定は、アジア初となります。

このカテゴリでの認証を受けるには光害防止条例、住民の理解だけでなく、厳しい屋外照明の基準をクリアすることも必要とされ、井原市や美星町ではクラウドファンディングを活用した屋外照明の交換などの活動も実施してきました。

コンソーシアム型のオープンイノベーション

また、2020年秋には井原市で行政や地域の事業者、団体、住民などが連携する「星の郷街づくりコンソーシアム」を立ち上げて、観光客の集客策の立案や受け入れ体制の整備のほか、「持続可能なまちづくり」をテーマとして具体的な行動計画を進めているとのことです。

日本国内におけるオープンイノベーションの類型は、大きく自由参加のコンソーシアム型オープンイノベーションと戦略的提携型オープンイノベーションに分けられ、コンソーシアム型のオープンイノベーションは行政主導型の社会システムデザインで多く用いられ、比較的浸透している方法といわれます。(※出典 星野達也著『オープン・イノベーションの教科書』)

行政と地域住民や事業者などが一体となって、地域の星という資源を活かした街づくりをデザインする美星町の取り組みはまさにコンソーシアム型のオープンイノベーションの典型といえます。ひとつのテーマをもって自治体が主導する取り組みであり、認知の拡大や多くの賛同を得ることにつながりやすい連携のあり方なのではないでしょうか。

事業の成功への期待

星の郷街づくりコンソーシアムでは、すでに観光集客やデジタル活用などの複数のテーマのもとで打合せ等の具体的な活動が始まっています。注目度が高い中、ひとつでも成功体験が生まれることで、地域全体が大きく動き出すことになるはずです。

長きにわたって多くの人の連携のもとで進めてきた美星町の街づくりですが、2005年の井原市への合併時には5500人以上あった人口は、現在では3800人程度まで減少しています。

コンソーシアム型のオープンイノベーションによって、地域住民や事業者が直接的にメリットを実感できる成果につながることが期待されます。

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