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オープンイノベーション推進の実践的ワークショップ 第3回

オープンイノベーション推進の実践的ワークショップ 第3回

「キャビアを売れ!」

圏域でのオープンイノベーションを推進する取り組みの一環として本年度3回にわたって行われた実践的ワークショップ。その最終回となる第3回を、2月22日にオンラインで開催しました。

今回は、新見市で国産キャビアの養殖、販売を行うMSファーム株式会社を取り上げ、「キャビアを売れ!」をテーマに、21名の方がグループに分かれてアイデアソンに取り組みました。

普段多くの人にとってあまり馴染みのないキャビアという難しいテーマでしたが、中学生、大手企業の研究員、地元企業経営者など幅広いメンバーが参加し、オンラインながら活気ある議論が展開されました。

新見産キャビアとは?

もともと2000年に新見漁協が取り組みを始めたキャビア養殖を2015年に事業承継したMSファーム。高梁川水系の澄んだ美しい水で飼育されるチョウザメの卵を使ったフレッシュキャビアを製造販売しています。

安全安心な環境で養殖したキャビアは加熱殺菌せず、無添加、低塩分濃度でつくられた高品質なもの。その分、輸入キャビアと比べて価格は高く、1グラムあたり800円。1瓶15グラム入りで12,960円で販売されています。

手間暇かけて製造される希少な国産キャビアは、高級食材としてお中元、お歳暮や催事等で注目され人気が高まっていますが、通常時期の一般的な普及には課題があります。

高品質なフレッシュキャビアをより多くの人に楽しんでもらいたい。そのためのアイデアが話し合われました。

食品としてだけでない普及アイデアも

今回も途中でグループを組み替えながら、約2時間にわたってさまざまなアイデアが飛び交いました。

提案されたアイデアの一部をご紹介します。

  • 富裕層向けの販売策
    →他でも高価なキャビアですが、安全安心をより一層アピールして富裕層に販売する。また、高級バイキングを企画し、海外富裕層向けには産地である新見でキャビアを食べる企画を1億円で販売する。加えて、その企画をどこかの王族に提供することで話題作りを行う。
  • 一般層向けにキャビアに親しむきっかけを作る
    →学校給食に提供して地域の食材として親しんでもらうとともに、小学校の給食でキャビアが出たという珍しい体験として、将来のインフルエンサー候補を育成する。オイスターバーならぬキャビアバーのような店舗を運営し、少量で低価格からキャビアをたしなむことができる機会を提供する。
  • 食材以外でのチョウザメを使った付加価値づくり
    →チョウザメの皮を使ったバッグの開発。チョウザメのオーナー制度を創設し、チョウザメ主としてチョウザメの生育を見守り、キャビアの販売によってリターンを生むようなビジネスモデルの開発。

上記は一例ですが、参加者からは「一生で一番チョウザメのことを考えた」という声が聞かれるほど熱心に、新見産キャビアの普及についてのアイデアが検討されました。

実行もオープンイノベーションで

最後に講師のファシリテーターの枡野恵也氏からコメントをいただきましたが、数多くの素晴らしいアイデアが出されたとはいえ、アイデアは1%。残り99%の実行に向けた努力が、成果には必要です。

今回のアイデア出しの場面だけでなく、実行の場面でも自前主義に陥らず、仲間を見つけて進めていく。引き続きオープンイノベーションでやっていくという考えが重要だという提言が印象的でした。

全3回のワークショップを通じて、社外と連携する価値を体感した人が増え、少しずつでも確実に、オープンイノベーションの実践者がこの地域で生まれていく期待を抱いています。

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